挿入光源の開発研究

Research and Development of Insertion Devices


強磁場多極ウィグラーの開発

 低エネルギーの電子ビームから硬X線の放射光を発生する方法として、強磁場を発生できるウィグラーがその光源として考えられる。数テスラ以上の磁場を発生できる超伝導ウィグラーは磁場が強い分だけより高エネルギーの硬X線を放射できるが、一般に製作費が高くメンテナンスが必要で運転コストもかかる。また、放射光フラックスを高めるための磁極のマルチ化(多極化)には費用・占有スペースの点から不利である。そこで、永久磁石を用いた多極ウィグラー(MPW : Multipole Wiggler)で従来のものよりも高い磁場を発生させることを目的として強磁場ウィグラーの開発に取り組んだ。想定したウィグラーの1/2モデルを設計・製作し、その磁場を測定した結果、永久磁石を用いたウィグラーとしては世界で初めて3テスラを越える磁場の発生に成功した。 実機(2倍スケール)では、その2倍のギャップで同じ強磁場を達成できることになる。

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製作された多極ウィグラー(MPW)の1/2モデル

 

多極ウィグラー(MPW)の磁石構造
2種類の磁石(Main and Side Magnets)は強磁性体である磁極(Pole Piece)を
取り囲むように配置され、 磁場を高めている。矢印は磁石の磁化の向きである。

 

多極ウィグラーの磁石ホルダー

 

多極ウィグラーの磁場測定結果

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